学校徴収金とは、学校教育に要する経費のうち、公費(市町村の予算)で支出する費用に対して、学校が児童生徒の保護者から徴収する費用(私費)のことで、「学年費」や「旅行貯金」といったものがそれにあたります。
学校では、予算書等により、その内容を保護者に説明した上で、学校の実態により「学校集金」として徴収しています。
学校により金額や集金方法は違いますので各校にお問い合わせください。
なお、長野県教育委員会では次の「学校徴収金の基本的な考え方について」をまとめ、平成22年4月に県内の高校及び市町村教育委員会に通知しています。(令和2年3月31日一部改正)
1 学校徴収金の定義
ここでいう「学校徴収金」とは、保護者が学校に納入する費用、学校の指定により購入する物品の費用、旅行業者へ支払う修学旅行費用、希望者が受験する模擬試験等の受験料など、保護者が負担する学校教育活動の費用をいう。
2 学校徴収金に関する基本原則
・保護者への説明責任
学校徴収金の管理と取り扱いは、保護者が学校長に対し信託していると考えられるものであり、その額及び使途については保護者に対して、十分な説明と決算(精算)の報告を行い、保護者の意見を聞く機会も設けるものとする。
・必要最小限の額の徴収
学校徴収金が保護者の経済的負担につながることを十分認識し、少ない費用で大きな効果が得られるよう努めるとともに、副教材等の購入品、修学旅行、他の学校行事等について定期的に見直しを行い、保護者の負担の軽減に努めるものとする。
・適切な方法による管理
保護者の信託に基づいて学校徴収金の事務を行う以上、その執行に当たっては不正事案が生じないよう「県立学校における私費会計等の事務処理基準(令和元年6月28日付け元教高第263号・元教特第191号一部改正通知)」を遵守し、定められた事務手順等により事務を行うものとする。
3 公費負担と私費負担との区別の考え方(県立学校の場合)
A:公費負担すべき経費
学校の管理運営及び教育活動に関する経費で、県立学校共通の水準の維持に必要な経費は、公費負担とする。
B:私費負担すべき経費
授業等で作成した成果物や授業等に用いる購入品が個人に帰属する場合等、その直接的利益が生徒に還元されるものに関する経費は、個人に負担を求める。
C:PTA等から支援を受けることが可能な経費
学校の管理運営や教育活動に関する経費であっても、標準的水準を質的量的に上回るより良い教育環境を望むPTA等の考えにより申し出がある場合は、PTA等からの支援を受けることを可能とする。なお、学校からPTA等へ要望することは厳に慎むこと。
(PTAとは、PTA、同窓会、その他関係団体をいう。)
4 負担軽減のための個別具体的な見直しの観点
(1) 副教材等の見直し
必要性について
・本当に全員が持たなければならないものか。
・前年踏襲に陥ることなく、必要性が検討されているか。
量について
・過多にならず、活用できる適切な量であるか。
再利用について
・家庭内、知人間で再利用できるものはないか。
・不要品を譲り合う場の設置など再利用を促す機会を設けることはできな
いか。
その他
・全員が統一して同じものを用いる必要があるか。
・一括購入に際し、購入価格決定、業者選定に入札等の公平、公正な納入
方法が採られているか。
※「長野県立高等学校教材取扱規則」を参照すること。
(2) 修学旅行等の見直し
目的について
・行き先を含め、惰性や前例踏襲に陥らず、十分検討されているか。
実施時期について
・飛行機の場合、時期により異なる運賃の割引率も考慮しているか。
・実施時期を遅らせ、各月の積立額を減じるような配慮は検討したか。
宿泊や食事について
・高校生の修学旅行に相応しい、実質的な施設や内容になっているか。
契約について
・業者選定では、入札等の公平、公正な手法が採られているか。
・手数(企画)料について交渉がされているか。
※「県立高等学校の修学旅行について(平成22年11月17日22教指第441号
教学指導課長通知)」を参照すること。
5 市町村教育委員会への対応
保護者負担の軽減の立場から、以下の内容について市町村教育委員会に要請する。
① 2の「学校徴収金に関する基本原則」に則り対応する。
② 原則公費負担が望ましい経費を私費負担により対応している場合には、保護者への説明を十分に行うと共に、可能な限り保護者の負担軽減を図るように努める。
③ 同一市町村にあっては、学校間において保護者負担に著しい差が生じないように努める。
④ 学用品等の再利用や有効活用の立場から、リデュース、リユース、リサイクルを一層推進する。